白桃-桃X-




本当は誰も悪くなんかない。ただの悪循環の繰り返し、だけなのだ。



白痴だったなら手に入れられたかもしれない果実。
その白さが良く似合う。
ただ甘いだけの脳のない果実。馬鹿な果実。

最後に聞いた「しあわせ」の一言が頭から離れない。
あの時振り返って噛み締めていたなら
(別に何も事態は変わらないのだけれども。)

桃は甘すぎて 天国にしか残らなかった。
本当にそんな果実が存在することを、誰か 示せたのだろうか。

桃は甘すぎて ただ甘すぎて
汁だけで私達の一生なんて握り潰してしまう。
桃の汁で滲み出していく
インクが流れてく 線路すら溶けていく。

列車はレールの上を走るしかなかった。
知ってて兵器を世に送り出した。

私は悪くない。
そんな代償になりえる桃なんてまだ夢にも見たことない。
本当は誰も悪くなんかない。



救世主はいつか現れるのだろうか。
誰かの灯が消える前に。