鬼 |
鬼ごっこをしましょうか あなたが鬼です 十数えてね 子供の頃に約束したまま 気が付けば周りは皆鬼なのに、 怖いのに、終われません。 私が鬼につかまるまで、永遠に続きます。 鬼も生まれた頃は人と同じ姿でした。 だけど、耳がなくなり、 口がなくなり、 頭がなくなり、鬼になります。 耳がないので、鬼に私達の言葉は通じません。 口がないので、鬼は私達に何も要求できません。 頭がないので、鬼は私達と違って何も考えることができません。 鬼は人にはなれません。 だって、一度なくした耳や頭が、 そう簡単に生えてくるとでも? 鬼が増えていきます。 鬼の顔に口はありませんが 髪を掻き分けると その後頭部には おおきなまっかな口が ぽっかりと 牙を覗かせています そこを通れば 底なしの胃袋が しゃべるための口ではありません。 人を食うためだけの口です。 鬼がいます ここにもあそこにも。 アスファルトの上に血溜まりが見えます。 街灯の下に骨が転がってます。 きっと鬼が人をつかまえて、食って殺したんでしょう おそろしいことです。 それなのに、 他の人は皆平気な顔でその血溜まりを跨ぎ、 平気な顔で骨を横目に避けていきます。 どうして平気なのでしょうか。 私にはわかりません わかりません 鬼さんこちら 手の鳴る方へ 誰か私の代わりに手を鳴らしてください。 鬼は外 福は内 誰か私を内へ隠してください。 誰か、平気な人 誰か、 誰か |