040916 腕と金-桃[-




奇しくもその日は給料日で
ああそうか、金なんだと。

金で買える権利がある。
金で買える自由がある。
私が摘んできたのは、そんな綺麗な花じゃない。

今年も使わなかったカレンダーにただ一日だけ印がついたのは、
私の腕が初めてその役割を果たした 最も忌まわしい日。
あの人がお水にとびこんだ、ひ。



この腕は何のため?
体と手とを繋ぐための役割しか考えられない。
しかしそれでも 私に生えているのなら
誰かを抱くため ただその時のためだけに

でも本当は
「いつか」のためにとっておくより
目に見える現実が欲しい。



この腕一本いくらで売れる?
この腕で何ができる?
二本で何が買える?

あの忌まわしい約束は少しずつでも確実に、
あの時の「いつか」へ向かっている。

何て美しい器官。
目の端できらきら光ってる。
何の役にも立たないけれど、
例えどんな状況下であっても
抱いているのは不幸なんかじゃない。