魔法界…
それは、私達の世界とは異なる場所にある、どこかの世界です。

女王様が統治をしている、魔女達の住む世界です。
私達には想像するしかありませんが、かの世界の人々には私達の世界は身近な存在です。
なぜなら、魔女と呼ばれる女の子達は皆、私達の世界からやってきたからです。


魔法を使える女の子たちは、魔法界にいる女王様が占星術を元に選び出していたものでした。

選ばれた女の子は女王様に魔力を与えられ、魔法使いになります。
その女の子達は、生まれながらにして自分が魔法使いだということを知っています。
理由は分かりません。
人間がいつの間に立ち上がったのか憶えていないのと同じように、 彼女たちもいつそのことを教えてもらったのかは分かりません。

ただ「魔女であること」と「魔法の使い方」を知っているだけです。

彼女たちはある年齢になると女王様の使者から、魔法の修行を始めるように言い渡されます。

そして数年間の修行の後に、一つの選択を迫られます。

このまま人間としての生活を送るか。
魔女として魔法界へ行き、女王様の下で暮らすか。


人間としての生活を選ぶと、次第に魔力は弱っていき、初めから魔法使いでなかった人と全く変わらなくなってしまいます。

魔女としての生活を選ぶと、彼女たちに関する全て記憶と記録は女王様の魔法によって消されてしまいます。
そして私達の世界と魔法界とを自由に行き来することが出来ます。
人間として生きれば変わらない生活を、 魔女として生きれば絶大なる力をそれぞれ与えられます。

女の子達は修行の間も普通の女の子として生活し、数年後の選択に向けて暮らしていました。




ですが、ある満月の夜、異変が起こりました。

涙のように流れた、一筋の赤い流れ星… それが、すべての始まりでした。
なぜなら、それはただの流れ星では無かったからです。
こともあろうに、それは魔法界の女王様の守護星だったのです。
魔女にとって守護星を失うということは、魔力を失うということを意味しています。
そして、女王様が魔力を失えば、それによって管理されている星々のバランスが崩れてしまいます。
そうなると、夜が来なくなったり、あるいは冬だけの季節になったりして、私達の世界も魔法界も 大混乱に陥ってしまうことでしょう。
ですから、女王様が完全に魔力を失ってしまう前に、新しい女王を決定しなければなりません。

とはいえ、魔法界の女性であれば誰でも女王になれるという訳ではないのです。

星々のバランスを管理する魔法界の女王になるためには、とても強い守護星を持っていなければ ならないのです。

そこで、女王様は残り少ない魔力を振り絞り、新しい女王となるにふさわしい 強い守護星を持つ女の子を数人、占星術によって探し出しました。

その女の子達はなんと…全員が私達の世界で修行中の同じ年頃の女の子達だったのです。

女王様もその従臣達も悩みました。
いくら他に女王となるべき強い守護星の持ち主がいないとはいえ、 修行中の彼女達に本当に女王が務まるのか、女王の重責に耐えることができるのか?
何よりも、彼女達は魔女になることを選択するのか?
それは何よりも心配していたことでした。

そして、女王様は考え抜いた末に、彼女達にひとつの試練を与えることにしたのです。

それは…

「あなたが選択の日に他の女王候補よりも強い心と魔力を持っている証を示しなさい」

というものなのでした。




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