空が白んだ。
ブランコにふたりで乗り込む。思い切り漕ぐ。
高く、高く、もっと。もっと高く。

やがてブランコは激しく軋み、縄は擦れ風を切る。
それが合図。ブランコは壊れる。
そして時間が壊れる。

このブランコはタイムマシン。
大人は誰も知らない。
だけど、子供なら誰でも知っている。

別々の家に生まれていたなら。
それがわたしとリオの結論。
ちょっと、変えちゃおうか。
ちょっと、時間、いじっちゃおうか。

ブランコが宙を返れば街が変わる。
子供なら誰でも知っている。
だけど、ひとりじゃそんなに漕げないから。
ふたりで。ふたりなら。
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